ミニチュア試験片を用いた多軸クリープ
ボイラー配管や航空タービン動翼は,高温環境に特有のクリープによる損傷を受けます。
さらに,その損傷は複雑な応力状態です。
また,近年,実機構造材から採取できる程度の微小サイズのサンプルを用いた金属材料の各種評価が要求されます。
当研究室では,微小ミニチュア試験片による多軸応力クリープ実験を行い,高温構造機器の損傷量評価や健全性保証に貢献します。
高温多軸低サイクル疲労寿命
構造物破損の原因の7~8割は金属疲労と言われます。
疲労試験は一般には引張と圧縮の繰返し型が行われますが,実機ではさらに複雑な応力(ひずみ)状態です。
当研究室では,より実機に近い状態を模擬した疲労試験を行います。
電子デバイスはんだの高温特性評価
スマホやパソコン内部の電子基板接合には必ず,はんだが使用されます。
電源のON/OFFの繰返しにともなって,はんだ接合部も疲労やクリープ損傷を受けることが知られています。
はんだの高温実験研究分野においては,その実験技術の確立も必要です。
近年の産業界のニーズに応じて,はんだのミニチュア試験片による高温特性評価に取り組んでいます。
Ti-Al合金の高温クリープ・高温疲労基礎特性評価(2019年度-JKA研究助成)
当研究室では,高温環境でのクリープや疲労実験検証で航空機の安全に貢献します。
航空エンジンには,安全性のみならず燃費向上も求められます。
軽量耐熱合金のTi-43Al系合金をタービン動翼で使用するためには,実機状態を考慮した実験検証が不可欠です。
2019年度の助成研究では,高温クリープ寿命と,高温疲労寿命について実験検証で明らかにしました。